アディダスはマイナー市場を狙う

ナイキ（Nike Inc.）を抜いて中国最大のスポーツウェアブランドになるため、アディダス（Adidas AG）はハイエンドファッションや子供服などのマイナー市場を狙う。ドイツのスポーツ用品会社の月曜日によると、今年の中国本土、香港、台湾での収入が2011年の10億ユーロ（約13億ドル）の推定数字を上回ることを期待しているという。この目標を達成するために、アディダスはライバルが主導地域を占めていない細分化市場を狙う計画だ。収入で言えば、アディダスはナイキに次ぐ世界第2位のスポーツ用品メーカーだ。

アディダスのハイナー最高経営責任者（Herbert Hainer）によると、中国のカジュアルやファッションへの興味は、アディダスがビジネスを持つ他のどの国をも上回っているという。

中国のスポーツウェア消費者をめぐる競争は激しくなっている。市場研究会社Euromonitorのデータによると、ナイキは中国全土に7500店舗あり、中国市場トップのスポーツブランド。アディダスは中国に6700の小売店を持っているが、今年はどれだけ新規出店するつもりなのかは明らかにしなかった。

スポーツウェアやスポーツパンツは中国ではよく見られるが、スポーツ参加率は高くない。中国の消費者は比較的に西洋のスポーツウェア企業のハイエンド製品を購入することも少なく、これらの製品は他の市場では一般的にスポーツファン向けである。

アディシスと米国に本社を置くナイキは、ハイエンドのスポーツ装備の販売台数を高めることを目指している。しかし、アディダスは他の分野でも成長の可能性を見ている。ヘナ氏によると、今年はアディダスNEOシリーズのマーケティングを強化するという。NEOは1人の青少年をターゲットにしたカジュアルウェアシリーズで、ストライプのフードシャツはアディダスの他のブランドより4割ほど安い約60ドル。

NEOは、予算が厳しい消費者向けや二三線都市を目指すしょうひ者の入門シリーズ。ハイナー氏によると、彼は会社の3分の2の機会が二三線都市にあると考えている。彼は、予算の増加に伴い、消費者はアディダスのよりハイエンドな製品を購入する能力があると述べた。同社のハイエンドシリーズY-3の毛皮のパーカーは3100ドル前後、中袖のツイードコートは約2650ドル。

アディダスは子供服領域が広がる。これは中国では興隆していない市場で、両親たちは家の中で唯一の子供のために最高のものを買いたいと思っているからだ。アディダスは中国全土に500店の子供服店を展開し、215ドルの高級革製の子供靴を販売している。

市場観察者によると、アディダスがこれらのマイナー市場を攻撃することは大きな挑戦に直面する可能性があるという。スペインのInditex SA傘下Zaraなどのファストファッションブランドや他のアパレルメーカーが中国で急速に拡大している。

米コンサルティング会社のMonitor GroupのパートナーであるTorsten Stocker氏は、スポーツウェア企業が競争相手である純ファッションブランドと差別化を維持するには、スポーツウェアにおける表現に確実に根ざしなければならないと述べた。

アディダスは、スポーツ用品の分野でもさらに深化させる必要があることを知っている。それは投資してより多くのアウトドア装備店を開設し、中国のより冒険的な消費者に登山用品と耐久装備を販売する。

ハイナー氏によると、アディダスの中国での売上高は昨年9カ月で前年同期比28%増の9億ユーロだった。